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付録 | 株式会社 講談社サイエンティフィク

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(1)

付 録

本文に掲載しきれなかった章,節,項またはその一部分を付録と

して集録した.

(2)

付録   電磁波に関するMaxwellの方程式について

第3章の(3.1),(3.2)式はそれぞれ静電気,静磁気に関するGaussの法則である.静 電気に関する法則は,図A1.1(a)に示すように,

(閉曲面Sから出る全電力束)=4π×(S中に存在する電荷の総和) すなわち,

E n

S da=

Vρ( )r dv (A1.1)

から得られる.ここで,ρ(r)は位置ベクトルrにおける電荷密度である.daは閉曲面 上の微小面積で,nはdaに垂直で,閉曲面に対して外向きの単位ベクトル,すなわち daの法線ベクトル,積分記号の添え字SおよびVはそれぞれ面積積分,体積積分を示 す.ベクトル解析におけるGaussの発散定理を用いると

E n E

S da=

Vdiv dv (A1.2)

となる.ここで,(A1.1),(A1.2)式より

div E=4π ρ (A1.3) となる.真空中では真の電荷密度ρ(r)はゼロであるから(3.1)式が得られる.(3.1)式 は電力束が単位体積あたりから湧き出ることもないし,吸い込まれることもないこと, すなわちEは定常的であることを意味する.

図A1.1(b)において,電流iはそのまわりに磁場Hを生ずるというBiot─Savert(ビオ・ サバール)の右ネジの法則に従えば,電流を含まない空間での単位体積あたりに流入 するまたは湧き出る磁場Hはゼロである.すなわちHは定常的であるから,Gaussの 静磁気の法則(3.2)式が成立することがわかる.

(3.3)式はFaradayの電磁誘導に関する実験則の微分形を示す.この実験則によれば, 図A1.2に示すように閉じた回路を貫く磁場が時間変化するとき,「閉回路に沿って誘

i

H

(b) E

ρ(r) n da

(a)

S

図A1.1  (a)閉曲面S,体積Vの空間に存在する荷電ρ(r)と閉曲面から出る電場E.(b)電流i が生じる磁場H.

(3)

付録1 電磁波に関するMaxwellの方程式について

起される起電力」をWと定義すると,

  W=(単位の大きさの荷電を閉回路に沿って運ぶために必要な仕事)    ¢−(回路を囲む閉曲面を通って流れる全磁束の時間変化)

となる.このマイナス符号は,この閉回路に誘起される電流の向きが,「この電流の つくる磁場が磁束の時間変化を打ち消す」向きであることを示す.つまり,

W d d

da

t da

S

S

= =

=

= F s

E n

E s

H n





curl

Ú

(Stokes の定理) (A1.4)

となり,したがってcurl E=─(∂/∂t)Hを得る.ここで上式第1式と第3式との関係は, Faradayの発見した実験則の数学的表現である.ただし,上式のFは単位の荷電あた りに働く力である.Gauss単位系を用いれば,(3.3)式が得られる.

(3.4)式はMaxwellによるAmpèré(アンペール)の法則の一般化式を示す.Ampèré は真空中に存在する定常電流Jが磁場Hを生ずること,つまり

curl H=4π J (A1.5) を示した.上式の両辺にdivを演算すると,(左辺)=div curl H=0(ベクトル解析の公 式)であるから,div J=0となる.したがって,(A1.5)式は定常電流Jに対しては正し いが,放電電流(開いた回路を流れる電流)に対してはdiv J≠0であるから,(A1.5)式 は不完全な式である.MaxwellはJに何かもう1つの項Xを加え,div(J+X)=0にな るようにしなければならないと考えた.電流に対する連続方程式

div J

∂ ρ

t (A1.6)

および静電気に対するGaussの法則[(A1.3)式]を用いると

divJ 4 div

1 E π

∂t H

n

F

+1 ds

閉曲面上の微小面積 da 閉回路を囲む閉曲面 S

閉じた回路

図A1.2  閉じた回路に沿って誘起される起電力と閉回路を囲む閉曲面を横切る磁場H.Fは 単位の荷電に働く力.nは法線ベクトル.

(4)

となるので,

div 4π J+E =

 t0 (A1.7)

が得られる.したがって,開いた回路を流れる電流(変位電流:displacement cur- rent)を含めた一般化したAmpèréの法則は,(A1.5),(A1.7)式より

curlH=4πJ+E

∂t (A1.8)

とすべきである.(A1.8)式はGauss単位系を用いると,

curlH =4π + c J c t

1E

(A1.9)

となる.ここで,Jは伝導電流,1/(4π)(∂E/∂t)はMaxwellが導入した変位電流である. 変位電流は電導電流Jと同様に磁場を生ずる.よって,J=0の場合,Maxwellが新た に導入した方程式(3.4)が得られる.

次に物質(誘電体,磁性体)中におけるMaxwellの方程式を考えよう.誘電体に電場 Eが加わると,その内部の任意の閉曲面Sを通して電荷の移動が生じる[図A1.3(a)]. この移動により分極(dielectric polarization)が起こり,Sの内部に分極電荷(polarization charge)が生ずる.その分極電荷密度をρ′(r)とすると,

Vρ ′(r)drで与えられる分極 電荷が体積Vの閉曲面Sの内部に生じる.したがって,閉曲面Sから流出した電気量 は−

V ρ ′(r)drとなる.一方,電荷の変位lにより閉曲面を通って流出する電気量は

Sq(N/V)c (l・n)daである[図A1.3(b)].ただし,N/Vは分子の数密度,qcは1分子あ たりに移動する荷電量である.したがって,1分子あたりに生ずる誘起双極子能率は qclである.いま,分極により単位体積あたりに生ずる誘起双極子能率を分極ベクト ル(polarization vector)Pとすると,

P=N l

V qc (A1.10)

であるから

E 誘電体

閉曲面 S da

da

−qc l

+qc

法線ベクトルn

(a) (b)

図A1.3  誘電体における電場の作用.(a)誘電体中の閉曲面S上の微小面積素片daとその拡 大図(b).lはdaを通して移動する電気量の変位ベクトル.

(5)

付録1 電磁波に関するMaxwellの方程式について

N

V q da S da V d

S c

(l n ) =

(P n ) =

divP r

 (Gaussの発散定理)

が得られる.上式は電場の印加による分極のために誘電体の閉曲面Sを通って流出す る電気量であるから,−

Vρ ′(r)drに等しい.したがって,

div P=−ρ′ (A1.11) が得られる.

物質中に存在する真の電荷ρも,分極電荷ρ′も電場を生じるので,物質中での Gaussの静電気の法則は,真空中での法則に関する(A1.3)式を一般化し

div E=4π(ρ+ρ′) (A1.12) となる.(A1.11),(A1.12)式より

div D=4π ρ (A1.13)

D=E+4πP (A1.14)

が得られる.(A1.13)式は本文(3.7)式である.Dは電気変位ベクトル(electric dis- placement vector)と呼ばれる.(A1.13)式,本文(3.7)式は,物質中でのGaussの静電 気の法則である.線形光学理論では,PはEに比例するので,

P=αmE (A1.15)

と表される.比例係数αmは物質の単位体積あたりの分極率テンソル(polarizability tensor)である.光学量χを

ca

4 4

m

π π

E = (A1.16)

で定義すると,(A1.14),(A1.15)式より

D= ( + ) =E E

= + 1 1

c e

e c (A1.17)

の関係式が得られる.(A1.17)式は本文(3.11)式の第1式である.χ, εはそれぞれ感受 率テンソル,誘電率テンソルと呼ばれる.

真空中に存在する電導電流密度Jの電流は,Ampèréの法則によれば磁気誘導(mag- netic induction)Bを生ずる.

curl B=4π J (A1.18) 磁性体中に磁場が作用するときには,分極電流(磁化電流)が生ずる.これは,電場が 分極電荷を生ずることに対応する.この分極電流は磁化ベクトル(magnetization vec-

(6)

tor)Mをもたらす.Mは単位体積あたりの磁気モーメントであり,Pに対応する.こ の磁気分極により生じた分極電流密度をJ′とすると,電場の場合の(A1.11)式に対応 して

J ′=curl M (A1.19) を得る.J′もJもBを生ずるので,物質中でのAmpèréの法則は,(A1.18)式の一般化 により次式

curl B=4π(J+J′) (A1.20) となる.(A1.19),(A1.20)式より

curl H=4π J (A1.21)

H≡B−4π M (A1.22)

が得られる.磁性体に対する(A1.21),(A1.22)式はそれぞれ誘電体に対する(A1.13),

(A1.14)式に対応する.(A1.21)式は磁性体中でのAmpèréの法則であり,Hは磁気強度, 磁場の強さ(magnetic field strength)と呼ばれる.4πM≡χmHとすると誘電体に対す る(A1.17)式に対応して,磁性体に対しては

B=H M= H

= + + 4

m

π m

m 1 c (A1.23)

を得る.(A1.23)式は本文(3.11)式の第2式である.

(7)

付録 2   第 8 章8.1節で示した一般論の具体例:ブ

ロック共重合体のラメラ状ミクロドメイン

重合度がほぼ等しいポリスチレン(PS),ポリイソプレン(PI)からなるPS─b─PIブ ロック共重合体(block copolymer)(bはblockの頭文字であり,両分子鎖の片末端が化 学結合で連結されていることを意味する)は分子量が十分大きいときには,PS分子鎖 とPI分子鎖はその化学結合点を界面に置きそれぞれの分子鎖からなるラメラ状ドメ インに凝集し,PSラメラとPIラメラの繰り返し周期構造(交互ラメラミクロドメイン 構造)を形成する[図A2.1(a)].図A2.1(b)は,ラメラ状ドメイン構造を有する試料の 超薄切片の透過電子顕微鏡像である1).明るいラメラ,暗いラメラがそれぞれPSラメ ラ,PIラメラである.図A2.1(c)は,ラメラ界面に対して垂直方向(z方向とする)の 散乱能密度のゆらぎの空間分布Δp(z)を示す.

Δp(z)=pPS(z)−pPI(z) (A2.1) ここで,p(z)はKラメラ(K=PSまたはPI)の散乱能密度の空間分布である.X線散乱K

の場合にはpKは電子密度ρe,Kで,ρe,PS>ρe,PIである.Δp(z)はPSラメラ(厚さ2aとする) 中では一様でΔp0であり,PIラメラ(厚さ2D−2aとする)中ではゼロである.ブロッ ク共重合体分子鎖の化学結合点が配置される界面で,Δp(z)はΔp0とゼロとの2値間を

(b)

PI ラメラ

PS ラメラ

(a)

(c)

z 2a

2D

PI ラメラ

PS ラメラ 1

0

∆p(z)/∆p0

1 µm PI

ラメラ

PS ラメラ

1 µm

図A2.1  (a)ポリスチレン─ポリイソプレンブロック共重合体(PS─b─PI)のラメラ状秩序構造(ミクロド メイン構造)内でのPS─b─PI分子鎖の充填様式を示す模式図,(b)透過電子顕微鏡像,および(c) ラメラ界面に垂直方向(z方向とする)の散乱能密度のゆらぎの空間分布.

(8)

階段状に鋭く変化する(界面厚みゼロの極限).交互ラメラ構造は周期2Dを有するも のとする.

図A2.1(c)に示した散乱能密度のゆらぎは,Fourier級数展開すると次式で与えられ る2)

p z

p a

D m

m a D

m z

m D ( )= +

0

1 2 sin π

π π

 cos 

=

=

1 (A2.2)

ラメラに対して垂直な方向に散乱ベクトルqを設定したときの構造振幅F(q)はs

F q p z qz dz

a

D q m m

s( ) = ( )exp i( )

= ( ) +

=

{∆ }

δ π 2 1

1

siinm a D

m z

D qz dz

π cos π exp i

 

( )

Ú

(A2.3)

と表される.ここで,

2 cos m z exp exp D

m z D

m z D

π π π

 = Ú + 

i i

 を用いると

cos i

i m z

D qz dz

q m D π

π

 



exp

exp

( )

=

Ú

1 Ú

2  z  q   m

D z dz

+ +

exp i

π

Ú

= + +

   





 1

2 δ

π δ π

q m

D q

m Ú D

(A2.4)

すなわち,qが

q m

D qm

π± (A2.5)

のときに散乱極大が得られることがわかる.qm=(4π/λ)sin(θm/2)を上式に代入する とBraggの回折条件が得られる.

2(2D) 2 =m

sinθm λ (A2.6) すなわち,m次の回折極大はΔ p(z)/Δ p0のm次のFourierモードの回折に起因し,そ の回折角(Bragg角)θmは(A2.6)式で,回折極大を与える散乱ベクトルの絶対値qm

(A2.5)式で与えられることがわかる.m次の回折強度|F(qs m2はm次のFourierスペ クトル強度であり,それは(A2.3),(A2.4)式より

(9)

付録2ノート

| |

sin

F q m

m a D a

D

s( m) = sin

= (

2

2 2

2

2

1 π

π

 

  q q a q a

m m

m m

) = ( )









2 2

φ2 φ

φ sin π π

(A2.7)(ノートA2.1)

で与えられる.ここで, φ=a

D (PSラメラドメインの体積分率) (A2.8) である.上式よりm次の散乱極大の値がに依存することがわかる.=1/2のときに は,2次(m=2)の散乱極大値はmπ=πとなるので消滅する.=1/3のときには3次 の極大が消滅する.一般にm次の極大が消滅し,他の次数の極大が観察されていれ ば=1/mであることがわかる.回折強度はmの増大とともにm−2に応じて漸近的に 減少する.これはラメラ構造がz方向に完全に配向し,その方向に散乱ベクトルqを 設定して散乱を観測するという特殊な条件の下に成立する.ベクトルqに対してラメ ラ界面の法線ベクトルが配向分布を有するときには,配向分布の大小にかかわらずそ の漸近挙動はm−4に依存する[Lorenz factor(ローレンツ因子),9.6.4項参照].

付録2ノート

ノートA2.1 m次の回折強度を与える(A2.7)式の証明

(A2.3),(A2.4)式より F q a

D q m

m a

D q

m

m D

s( ) = ( ) +

=

δ π

π δ π

1 1

1 sin   Ú +δq+mDπ

が得られる.m次の回折極大はq=qm=±(mπ/D)で発現するので,

F q m

m a D

a D

q a q a

m

m m

m m

s( ) = 1 = = ( )

π

π π

sin sin φsin π φ φ

付録2文献

[引用文献]

1) T. Hashimoto, H. Tanaka, and H. Hasegawa, Macromolecules, 18, 1864─1868(1985) 2) T. Hashimoto, Y. Tsukahara, and H. Kawai, Macromolecules, 14, 708─711(1981)

(10)

付録   第9章 孤立散乱についての補足

付録 3.1

回転楕円体の構造振幅に関する(9.24)式の導出

本文(9.18),(9.20)式より

| |J =

α α sin sin Ú v r v r

a vacosα

a

0

= 2

cos cos

r α φ rsinαsinφ sinαcosφ cos cos sin sin sin cos

r α φ Úr α φ α φ

(A3.1)

また(9.18),(9.21)∼(9.23)式より

(q r ) =qr sinθsinαcosφ cosθsinµsinαsinφ v c

2 Ú 2 Ú a oos cos cos θ2 µ α

  (A3.2)

ここで,次のように定義する. ɶq qr A

B

C v

 sin sin

cos sin sin

cos cos θ α

θ µ α

θ 2

2

a 2 µµcosα

(A3.3)

( ) = +

+ +

q r



 ɶqA B A

A B

B

A B

2 2 C

2 2 cosφÚ 2 2 sinφ Ú







 (A3.4)

A2 B2 2 2 2

2 2

+ = sin θ+cos θsin µ sinα

1/2

(A3.5) また

sin

cos β

β

A

A B

B

A B

2 2

2 2

+

+

(A3.6)

とすると

(q r ) =Úɶq A2+B2sin(φ βÚ ) +C (A3.7)

(11)

付録3 第9章 孤立散乱についての補足

(A3.1),(A3.7)式を(9.19)式に代入すると

Fs( ) =v pa( s pm) 2 [iq A +B ( )]d

=

q Ú exp ɶ 2 2sin Ú

0 φ β φ

φ

∫∫

π

= = exp(iɶ ) sin

C r d dr

r

R 2

0

0 α α α

π

(A3.8) 上式右辺のに関する積分を I(α, r)とし,−β≡tとすると

  I (α,r) = 2= q A +B t dt+i q A +

t

cos ɶ 2 2sin sin ɶ

0

  2

π

t=0  BB2sint dt

(A3.9)

cos(z sint), sin(z sint)にJacobiの展開を用いると

cos sin cos

sin sin

( ) = ( ) + ( )

(

=

z t J z J z nt

z

n n 0

1

2

2 2

tt Jn z n t

n

) = +( ) ( + )

=

2 1 2 1

1

2 sin

(A3.10)

ここで,J(z)はi次の第一種Bessel関数である.i

(A3.9),(A3.10)式より

I(α,r) =2πJ q A0( +B )

2 2

ɶ (A3.11)

(A3.8),(A3.11)式より次式を得る.

r dr2

Fs( ) =q 2πv pa( sÚpm)

rR=0

αα =0π J q A0(ɶ 2+B2)exp(iqCɶ )sinα αd (A3.12)

(A3.12)式でαに関する積分を I(ɶq)とすると,I(ɶq)は(A3.3)式の第4式,(A3.5)式より

I( ) =qɶ J0 qɶ 2 + 2

2 2

sin θ cos θsin2µ sinα

1/2

 











 

exp iɶqvacosθcos cosµ α sinα αd

α==0 2

π

(A3.13) ここで,便宜上次のような変数を定義する.

sinψ{sin θ cos θ sin µ} {

2 2 2

2

2 2

1 1

( ) + ( ) + (

/ / 1/2

v Ú ))a ( )

( ) + (

cos cos

cos cos cos

2 2

2 2 1

θ µ

ψ θ µ

/ /

1/2

a

}

{ v v v

q q v

a

1/2

a

2 2 / 2

2

1 2

1 1

Ú Ú

) ( ) + ( )

cos cos cos

θ µ}

* ɶ{ 22/2)cos2µ}1/2

(A3.14)

(A3.14)式を用いると(A3.13)式は次のようになる.

(12)

I( ) =ɶq J q0( *sin sinψ α)exp i( q*cos cosψ α)sinα αd

α ==

= = ( ) ( )

0

0

π

cos q*cos cosψ α J q*sin sinψ α sinα αd

α 00

0

π

+ ( ) ( )

=

i sinq*cos cosψ α J q*sin sinψ α sinα αd

α 00

π

(A3.15)

(A3.15)式はGegenbauerの公式を用いて次のように解くことができる. Gegenbauerの公式

(1)

0

(r が偶数のとき)

(r が奇数のとき) cos(q*cosψcosα)JνÚ1/2(q*sinψsinα)Crν(cosα)siin

sin

ν /

ν

α α

+

= ( )

1 2 0

1 2

d

q

r π

π



 Ú /2  Ú

1/2 1/2

* ψψ ψ

ν ν

Cr (cos )J+r(q*)





(A3.16)

(2)

0 (r が偶数のとき)

(r が奇数のとき) sin(q*cosψcosα)Jν (q*sinψsinα)Crν(cosα)s

Ú1/2 iin

sin

/

/

ν+ α α

( )

= ( )

1 2 0

1 1 2 2

d

q

r π

π



 Ú Ú 

*

1/2

νν ν

Ú1/2 C Jν q

r (cos ) +r( *)



 ψ ψ

(A3.17)

ここで,Cr(x)はGegenbauerの多項式である.ν=1/2, r=0に対してGegenbauerのν 公式(A3.16),(A3.17)式を適用すると,

C0

1/2(cos α)=1 (A3.18)

また,rは偶数であるから,

   cos(q cos cos ) (J q sin sin )sin d = q

* *

ψ α 0 ψ α α α *

0

2

π π

 

1/2

J1/2(q* (A3.19))    sin(q*cosψcosα) (J q0 *sinψsinα)sinα αd =

0

0

π (A3.20)

したがって,(A3.15),(A3.19),(A3.20)式より

I( ) =ɶq ( ) q

J q 2π

* *





1/2

1/2 (A3.21)

半奇数次のBessel関数は次のようにも表される.

J q

q q

1/2

1/2

( *) =

* *

2 π



 sin (A3.22)

(13)

付録3 第9章 孤立散乱についての補足

ゆえに

I( ) =ɶq

q q

2

*sin * (A3.23)

(A3.12),(A3.23)式より

F v p p q

q

 

R s( ) = a( s m)

q 4 = 2

π Ú

0sin** (A3.24) いま

U q R

r v

* ɶ

 1 1 2 

2 2 2

+ ( a )

1/2

Ú cos θcos µ (A3.25) と定義すると,(A3.14)式の第3式,(A3.25)式より

q U

r R

*

*= (A3.26)

したがって

r dr R U

q dq

2

3

= 3

( ) ( )

* * *

2 (A3.27)

(A3.24),(A3.27)式より

F v R p p

U

q q dq

s

a

s m

( ) = 4 ( ) ( )

q π

3

3 0

3

 3



 Ú * *sin * *

U

U* (A3.28)

回転楕円体に対する(A3.28)式は,球に対する第9章(9.4)式と同型であることがわか る.ただし,Uの代わりにUが用いられている.したがって,第9章(9.24)式が得ら れる.

付録 3.2

特定の配向(β, γ)を有する回転楕円体の構造振幅に関す

る(9.45)式の導出

図9.9において回転楕円体がその回転軸Ozをベクトルqに対して(β, γ)なる配向を 有して存在しているときの散乱振幅,散乱強度式それぞれ(9.45),(9.47)式を誘導する.

(9.42),(9.43)式より

(q r ) =qr sin cos[( α φ)(e1k) + (sinαsinφ)(e2k) +((vacosα)(e3k)] (A3.29) 図9.9より明らかに

( ) = ( ) = ( ) =

e e e

1

2

3

0

k k k

Ú sin

cos β

β

(A3.30)

であるので,(9.20),(9.41),(A3.29),(A3.30)式より

(14)

Fs( ) =v pa( s pm) [ iq(

q ; ,β γ = exp sin sinβ αcosφ

Ú φ Ú Ú

0 0 0 0

2 2

a π

π

α

β α α α φ

=

=

+ )]



R

v cos cos  sin  

(A3.31)

(A3.31)式は付録3.1と同様に解くことができる.いま sin sin

sin cos

cos cos

sin

ψ β

β β

ψ β

( )

(

2 +

a

1/2

a

v v

2 2

2

2 2 2

1

2 2 2

β β

β β

+ +

)

( )

v

q qr v

a

1/2

a

1/2

cos sin cos ɶ 

(A3.32)

と定義すると

qr q

qv r q

sin sin cos cos

β ψ

β ψ

=

= ɶ

ɶ

1

1 a

(A3.33) である.(A3.31),(A3.33)式より

Fs(q ; ,β γ) =v pa( s pm) exp[ iq ( sinψsinαcosφ Ú = = φ== Ú ɶ1 Ú

+ )]

0 0 0

2 2π

π

α

ψ α α α φ



R

 dd d

cos cos sin

(A3.34)

(A3.10)式に対応して

cos cos cos

sin

( ) = ( ) + ( ) ( )

=

z t J z nJn z nt

n 0

1

2

Ú1 2 2 (( ) = ( ) +( ) ( + )

=

z t nJn z n t

n

cos 2 1 1 cos 2 1

0

Ú 2

(A3.35)

を用いて(A3.34)式をについて解くと

Fs(q ; ,β γ) =2πv pa( sÚpm) cos(qɶ1cosψcosα) (J q0 ɶ ssin sin1 sin sin cos cos

ψ α α α

ψ

α )

(

=

=



q

r R

0 0

1

π

Ú i ɶ αα ψ α α α

α= ) (J q )

 r dr

0 1 0

ɶ sin sin sin 2

π

(A3.36) 付録3.1と同様にGegenbauerの公式を利用してαについて積分し,さらに ɶq1について 積分をすると(9.45)∼(9.47)式が得られる.

(15)

付録3 第9章 孤立散乱についての補足

付録 3.3

ランダムに配向した回転楕円体の換算散乱強度に関する

(9.53)式の導出

(9.47),(9.51),(9.52)式より

Iav( ) =q 1K Vellip (ps pm) (U ) d K 2 3

2 2 2

Ú

0πΦ * sinβ β, 33 2

2 2 2

2 3

=

= [ + ]

( ) = (

I R

U qR v

U

i D

a

1/2

/

* sin cos s

β β

Φ { iin cos

{ /

U U U U

q J U U

Ú )

= ( ) ( ) / / / 3/2

3 2

3 2

2 2

} π }

(A3.37)

Φ(2 )は,以下の演算を用いて(A3.42),(A3.43)式に示すように一般化された超幾何 級数(generalized hypergeometric function)によっても表される.

{J U U } J U U

U

m m

3/2 3/2

3/2

2 3

/ /

( ) = ( )

= ( ) ( + )

2

3

1 Ú1 2 2 !!!

! ! !!

U

m m m

m

m

2 3

0 3 2 3

+

=

( + ) ( + )

(A3.38)

いま

( + ) = ( + )( )( )

= + ( + ) =

2 2 2 2 2 2 2 4 2 2 1 1 2

m m m m

m m m

!!

!

Ú ⋯

+

+1 ( + )

Γ m 2 (A3.39) また

( + ) = ( + )( + )( )

= + ( +

2 3 2 3 2 1 2 1 5 3 1 2 2 5

m m m m

m m

!! Ú ⋯

Γ 22)/ π (A3.40) さらに

( ) = ( + ) ( )

= ( + )

( ) ( ) =

2 2

2 5

2

5 3

2 5

2

5 2 m

m

m

m Γ

Γ Γ

Γ Γ

 , 4ππ

(A3.41)

である.ここで,Γはガンマ関数である.

(A3.39)∼(A3.41)式を用いると(A3.38)式は次のようになる.

{J U U } U

m

m

m m

m

m 3/2

/ 3/2

( ) = ( ) ( ) ( )

( )

=

2

5 0 2

1 2

9 2

4 Ú !!

; , ;

 1

91 2 2 4

5 2

F( ÚU2)

(A3.42)

ここで,pFqは一般化された超幾何級数であり,次式で定義される.

p q p q

m m p

F(α α α β β β z) = (α ) (α ) (α

1, 2, , 1, 2,

1 2

;, ; ( ) ( ) ( )))

=

m

m m q m

m

zm

β1 β2 β m

0

! (A3.43)

(A3.37),(A3.42)式より

(16)

Iav( ) =q πK Vellip (ps pm) F(2 ; , 4 ; U ) 4 3

2 2

1 2 52 2

Ú β Ú * siinβ βd

=0

π (A3.44)

ここで

U*2=U2(sin2β+va2cos2β) いまcos β=tとすると−sin β dβ=dtであり,

U*2=U2{1+ (va2Ú1)t2} となり,(A3.44)式は次式のようになる.

Iav( ) =q K Vellip (ps pm) F(2 ; , 4 ; U + π

4 3 1

2 2

1 2 52 2

Ú Ú { (( ) )

= ( ) ( )

= v t dt

K V p p

t a

ellip s m

2 2

1 1

3

2 2

1

2

2

Ú

Ú

Ú }

π mm

m m

m

m

U m

m v t dt

( ) ( ) ( )

+ ( )

=

52 0

2

2 2

0 1

4 1 1

Ú

Ú

! { a }

(A3.45)

{}mを2項級数に展開して項別積分を行うと {1 1 }

1 1

1

2 2

0 1

2

2 2

+ ( )

= ( ) +

v t dt

v

v t

m

m a

a

a

Ú

Ú Ú





m m

m

m n

n

m n n

dt

v C

v

t d

0 1

2

0

1 21

1

 

= ( )

=

a

a

Ú 2

Ú

Ú

tt

v C v

n

m

m n

n

n m 0

1

2

0 2

1 1

2 1

= ( ) ( )

= +

a

Ú a Ú

Ú

m n

n

C m

m n n m m n n

v n

=( )

= ( )

( ) +

!

! !

!

! ! Ú

Ú

Ú

 

a

2 1

2 1

n n

n

n

n

m m n

v n n

=

=

= ( )

( )

( ) ( + )

0

2

0

1 1

1

Ú Ú! ! !Ú2 a

を用いると

を利用して ( )

( ) = ( ) ( )( ) ( )

= (

Ú Ú Ú Ú Ú Ú Ú

Ú

1n m 1n 1 2 1

m n m m m m n

!

! ⋯{ }

m

m m m m n

m n

)( + )( + ) ( + )

= ( )

Ú Ú Ú Ú

Ú

1 2 1













=

( ) ( ) ( + )

( )

=

Úm nÚ Ú n

v

n n

n

n

2 1 2 1

1 2

0

!!

!! !

a

(17)

付録3 第9章 孤立散乱についての補足

を利用すると ( )

( + ) =

( ) ( )

( ) (

+

2 1 2 1

2

2

1

2 12

1

32 3

n n

n n n

n

Ú !!

!! π

π Γ

Γ 22

12

3 2

12

32

)

=( ) ( )

= ( ) ( ) ( )

(

n n

n n

n

m









Ú 11

1

2

0

2 1 1

2 32 2

Ú

Ú Ú

v n

F m v

n

n

a

a

)

= ( )

=

! , ; ;

(A3.46) ここで,2F(−m, 1 12 ; 32 ; 1−va

2)はGaussの超幾何級数であり,F(−m, 12 ; 32 ; 1−va 2

とも表される.

(A3.45),(A3.46)式より,回転楕円体のランダム配向系に対する平均散乱強度に関 する一般式は,次式で与えられる.

I q K V p p m U

m m

av( ) = ellip ( s m) ( ) ( ) ( ) π (

2

2

3 4

2 2

5 2

2

Ú Ú )) ( )

=

m

m m

F m v

! Ú , ; ; Ú

12 32 2

0

1 a

(A3.47) 一般式(A3.47)に基づいて,小角つまりUの小さな領域での散乱に対する近似式を求 めよう.m=0および1の2項までとると

Iav( )q πK Vellip (ps pm) F( va )

2 3 0 1

2 2 1

2 32

Ú , ; ; Ú 2

+ ( )2 1 ( 2) ( 1 12 32 1 ) ÚU F Ú , ; ; Úva2

 ( ) ( )52 1 4 1

(A3.48)

いま

( ) ( ) ( ) =

( + ) ( )

( ) ( + )

( ) ( 2

4

2 1

2 1

4 4

1 5

2 1 1

5 2 5

2

Γ Γ

Γ Γ

Γ

Γ ++ )1 = = 2

1 3 4 6 2 3

3 4

1 5

6

!

! !

!

!

! π

π (A3.49)

またGaussの超幾何級数に対する公式

F(−α, β, β ; z)=(1−z)α (A3.50) および漸化式

  γ{F(α β, +1,γ;z)ÚF(α β γ, , ;z) =} αzF( +α 1,β+1,γ+1;;z ) (A3.51) を用いて,α=0, β=1/2, γ=3/2とすると

3

2 0 0 0

32 32 12 32

{

F( , , ;z)ÚF( , , ;z) =

}

(18)

したがって

F(0,12,32;z) = (F 0,32,32;z) = (1Úz) =0 1 (A3.52) また,α=−1, β=1/2, γ=3/2とすると

3

2 1 1 0

3

2 32 12 32 32 52

{F(Ú , , ;z)ÚF(Ú , , ;z) =} ÚzF( , , ;; z ) (A3.52a) およびα=0, β=3/2, γ=5/2とすると

5

2 0 0 0

5

2 52 32 52

{F( , , ;z)ÚF( , , ;z) =} (A3.52b)

(A3.52a),(A3.52b)式より次式を得る.

F(Ú1 z)ÚF(Ú1 z) =Ú2zF( z 3 0

3

2 32 12 32 52 52

, , ; , , ; , , ; )) (A3.53) ゆえに

F(Ú1 z) = (FÚ1 z) +2zF( z) 3 0

1

2 32 32 32 52 52

, , ; , , ; , , ;

(A3.50)式を用いると,

= (1 ) +2 ( ) = 3 1

3 3

1 0

Úz z Úz Úz z≡1−a

2とすると,

=3 (1 )= + 3

2 3

2 2

Ú Úa a (A3.54)

(A3.48),(A3.49),(A3.52),(A3.54)式より

Iav q K Vellip ps pm q R v

( ) =π ( ) + a +

2 1

1 5

2

3 3

2 2 2 2

2

Ú  Ú ⋯

π  2

1 5

2

3 3

2 2 2 2

2

K Vellip (psÚpm) exp Ú q R +va 

(A3.55)

付録 3.4

円柱状散乱体に対する構造振幅を表す(9.63)式の導出

(9.58),(9.59),(9.62)式より

(r q ) =Úρqcosφsinβ+qzcosβ (A3.56)

(9.60),(9.61),(A3.56)式より

F qs ps pm d q d

2

( ) = ( ) (i )

=

, ,β γ ρ ρ exp ρcosφsinβ φ Ú φ

0

∫∫

π

ρ=0

2= ( β) R

z H

H

q d expÚ cos

Ú i

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